整・接骨院に関する数字と環境

2023/07/31

今回のコラムでは整・接骨院を取り巻く数字と環境を少しだけ取り上げさせていただきます。
平成22年度の柔道整復に係わる療養費の取扱い額は「4068億円」でした。
それから8年後の平成30年度では「3278億円」まで落ち込んでいます。
実に-800億円、20%のマイナスとなっているのが現実です。
※平成30年度の数値は「コロナ」影響前となります。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/111116_01.pdf

医療費全体を上記同期間で見ると療養費とは異なり15%増となっています。何故療養費だけ800億円ものマイナスになっているのでしょうか。
平成22年度整・接骨院の院所数は約38,000院、30年度では50,000院まで増えています。実に12,000院の増加です。
院数トップは大阪府で6,922院、東京都は続く第2位で6,197院となっています。
人口10万人あたりの院数だと大阪府は78.5院、東京都は44.8院となっています。大阪の競争の激しさがうかがえます(数字は何れも平成30年度値)。
単純計算ですが大阪府では1院あたり1,278人、東京都では2,232人となります。この数字はただ単に院数で割った逆算なので、実際は立地等の環境や整骨院に来ない人もいるのでもっと少ない数値で患者さんを取り合っている状況と言えます。
このように院所数が増加しているにも関わらず療養費が減少しているのが現状です。
あくまでも私見ですが新規患者がなかなか増えないまま、減りゆく一方の既存患者のみを各院で取り合っている感さえあります。また、同時に単価減少についても同様の傾向がみられます。
客商売における「売上=客数×単価」ですが、今やどちらも減少してしまっています。
この状況を打開すべく、新患の取り込みや自費メニューの新設や強化、鍼灸の導入、webの活用など積極的に対策を行った院も多く見受けられました。
実際に同時期、鍼灸と按摩では何れも3割以上療養費の取扱高を伸ばしており、鍼灸と按摩への積極的な参入が見て取れます。

療養費減少の要因は諸説ありますが省略させていただき、私見を一つ。
同時期である平成22年(2010年)あたりから、スマホが爆発的に普及し始めており、この業界に限った事ではありませんが、検索を用いた取捨選択の幅が拡がった点、患者様の嗜好の多様化が始まったと思われます。
ネットやWi-Fiの普及とともに様々な業界で顧客の獲得に向けた動き、囲い込みがweb上で加速し始めましたが、柔整業界の歩みや反応は鈍いと言わざるを得ませんでした。
ちなみに「ggrks」やAAなどが流行っていたのもこの頃でしょうか。
10年前、ホームページを持っている接・整骨院は多くありませんでした。
ホームページが無ければ選択肢にも上がりません。
また、ホームページビ〇ダーで作ったページもよく見かけましたが、手作り感満載で見ている分にはいいのですが、あまり機能しているようには思えませんでした(勿論全てではありませんが)。
ホームページがあってもその内容がイケてなければ上位にも来ないですし、内容を見てもらえなければ来院きっかけにも繋がりません。
制度や院数増加、取り巻く環境などの要因もありますが、webを活用してしっかり取り組みを行い数字を伸ばしている院が今ではたくさんあります。
今のご時世、Webを有効活用し集患・集客を行わないのはもったいないですよ。
制作や依頼はミニッツでもミニッツでもミニッツでも、他社でも構いませんが柔整業界と言うデリケートでナイーブな一面を持つこの業界を熟知した制作会社に任せる事が重要です。
価格だけで飛びつく事の無いよう注意してください。安いには安いなりの理由があるのが定説です。とは言え高ければいいってものでもありませんので併せてご注意ください。
その辺りのご相談も弊社専任スタッフが喜んで承りますのでお気軽に相談ください。

なお今回、ググって知ったのですが「ggrks」は既に死語のようで、使うとオッサン認定されるようです。既にオッサンですが知りませんでした。

余談ですが、2022年以降、団塊の世代と呼ばれる年齢層(1947年~1949年生まれ)の方々が後期高齢者(75歳)へと移っていきます。その後2023年以降は悲しい事に団塊の世代と呼ばれる方々が減り続け、人口減少が加速していくと予想されています。
特に高齢者の患者様が多くを占める院様に於いてはその影響も大きいと思われます。また、令和4年10月以降後期高齢者の負担割合が1割から2割に変更となりそうです。こちらもまたマイナス材料となる事は容易に想像できます。
高齢者に特化した施術者や施術所もいいかも知れません。高齢者の来院が多かった院では今のうちから何らかの対策を取っておく必要があるのではないでしょうか。
ご参考まで。