アフターコロナに備え、治療院が今 何をすべきか。 PART2「鍼灸保険 導入解説」

2023/07/31

ミニッツシステム開発 仁藤です。
前回、鍼灸保険についてコラム書くつもりが前置きだけで終わってしまう羽目になり、相変わらず文章を簡潔に書くことが出来ない性分に自戒の念を込めて、今回も空気読まず長々と書きます。(反省なし)

2019年1月より、柔整同様に受領委任契約が あん摩、マッサージ/針、灸にも適応となり受領委任開始少し前の 2018年10月より、今まで、3ヶ月だった同意書有効期間が6ヶ月に延長され、申請書のフォーマットも厚労省統一様式に変更されました。

弊社でも、この時期から今まで保険は柔整のみで、運営していた院が、鍼灸の保険も始めたいと鍼灸ソフトの問合せも多くなり、資料請求の3割が鍼灸のソフトで占めております。

鍼灸保険を取り扱うには、下記の条件が必要です。

①針、灸の国家資格(2術算定しない際は どちらかで可)
②厚生局への受領委任契約 (2021年1月より、柔整同様に 施術管理者研修が必要。
(実務経験要1年)
③医師の同意書 内科、整形外科、眼科でも可

国家資格があれば、後は医師の同意書があれば請求が可能になりますが、同意書がないと請求自体ができません。
柔整のように来院した患者に対し、柔道整復師が問診、触診して傷病を判断する事ができず、あくまで医師の同意に基づいた
傷病、施術が前提となります。

鍼灸保険の導入が増えている理由としては主に2つ

①柔整より1日の請求単価が高く、返戻のリスクがほぼない。
②柔整のように、負傷原因、長期、転帰、部位変更などがなく請求が楽

簡単に言えば「金額高い!楽!怖くない!」てな訳です。順に説明致します。

①請求金額の高さ 

鍼灸の保険金額はシンプルな計算で
・1術(針 又は 灸) 初検料 1,710円 施術料 1,540円
・2術(針・灸併用) 初検料 1,760円 施術料 1,590円
・電療をおこなった際 電療料 30円
になりMAX算定で、初検料 1,760円 施術料+電療 1,620円
(同意書に 鍼灸・電療の指定はないので術者が施術に必要と判断しおこなった場合
に算定可能)

下記に、柔整 鍼灸の1日辺りの部位別費用額比較/月10日来院時の 3ヶ月のレセプト費用額比較
を纏めてみました。

柔整は部位毎に金額が増えますが、鍼灸に関しては、何部位、施術をしようが1部位分の料金しか算定できません。

柔整3部位初検 4,201円 :2回目 1,996円:3回目 1,586円  3日計 7,783円
鍼灸初検     3,380円 :2回目 1,620円:3回目 1,620円  3日計 6,620円

3部位の金額では柔整の方が、初検 2回目は高いですが、3回目以降は鍼灸が金額が高くなり、鍼灸保険には長期逓減もないため、以降この金額が続きます。

柔整で全てのレセプトを3部位で出す事も、まあ無いのと金額逓減もない為、同じ人数、日数で比較した場合鍼灸の方が、請求金額が高くなります。

現在でも一部組合からは返戻や疑義照会がある為、今後 難しくなる可能性も高いですが
外傷・・・柔整 ①頸部捻挫 ②右肩関節捻挫
慢性・・・鍼灸 ①腰痛症 
といった併用請求もルール上では可能です。

②請求の簡易さ

鍼灸は、原則下記6疾患(6部位)の慢性疾患が対象です。

1・神経痛
2・リウマチ
3・頚腕症候群
4・五十肩
5・腰痛症
6・頚椎捻挫後遺症

同意書が発行された半年間の加療期間に、記載の部位に対しての請求が可能で、半年後に再度、患者さんが医師に対面診察をしてもらい再同意書を発行してもらう事により、
再度半年分の保険請求での施術が可能になります。

レセコンの入力ですと、 保険証入力 → 同意書内容/施術内容入力 → 来院日入力
だけで、半年後に同意書の日付を更新して、又 ポチポチ来院日入れるだけ。
転帰も長期もないので、柔整で言えば ①頸部捻挫 ②腰部捻挫 の請求がずーっと続く
感じです。 (施術報告書とか状態記入書とか追記書類も一部必要)

レセプトに関しても医師の同意がある事と、慢性疾患の為、
柔整のような外傷に対しての整合性を求められたり、患者紹介もほぼないため
請求が通らない(同意書不備は除く)事も少なく、受付さんがいたら
入力もフルお任せで問題なしです。

自費メインで院を運営していくのが、現状のトレンドぽい風潮になっていますが、
私のお客さんでも実際 鍼灸保険を始めて、売上 20%~30%あがった院もあり、
患者さんが多く、安定した売上を出している院は、健康保険もしっかり適用したうえで、自費メニューを上手に提案している院が多い気がします。

「保険はだめから自費メインでいこう!」
「自費取れないから保険だけでいこう!」

と両極端にならず、アフターコロナでこの先、生き残っていくのは、
患者さんの多様性なニーズに応需できる間口の広さを持っている院ではないでしょうか?

鍼灸保険もその一手として検討してみても良いかもですね。

鍼灸レセコン導入はミニッツシステム開発 「メディカルク」
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大事なことなんで3回書きました。それでは股!