整骨院保険請求 お悩みではないですか?PART1 濃厚施術について

2023/07/31

いつもお世話になっております。ミニッツの仁藤です。
26年の療養費改定・前期高齢2割負担など、制度改定も一段落したので、今回からメルマガアンケートで皆様から頂いた保険請求のご質問で多かったテーマについてコラムを記載していきます。

PART1 濃厚施術について

今回は 来院日が多い施術 いわゆる濃厚施術について記載します。

メルマガ ご質問
「来院日数が多い患者さんのレセプトを提出したら、保険者から濃厚施術の疑いがありますって書類が来たんですけ どどうしたらいいですか?」

「来院日数が多い患者さんのレセプトを提出したら、保険者から施術回数が多い根拠を記載して下さいて書類が来た んですけどどうしたらいいですか?」

26年時点の柔整療養費の制度では、月の施術の回数制限や、回数が多かった場合の逓減や記載事項はルールにはありません。 (長期頻回施術理由は除く)

ですが最近 月の実日数が多い レセプトに対して
「それだけの日数の施術の必要性が考えられない」
「多日の施術が必要な理由を記載して下さい」といった理由で返戻する保険者も
数が多いわけではありませんが存在します。

そのため接骨師会によっては、月の実日数が ○回以上あった場合は、多日になった理由をレセプトに記載するよう指導している接骨師会もあります。
(多日という言葉が適切かわかりませんが長期頻回施術と混同する為、多日理由と記載します)

回数については勿論 明確な規定があるわけではないのですが、月の実日数が15回以上になった場合に記載するように指導している接骨師会があるようです。
この多日理由記載に関しては、現行そのような規定がないのですが、何故記載するように指導しているのでしょうか?

理由の一つが 療養費の算定基準の一文にあります。
「施術は、療養上必要な範囲及び限度で行うものとされ、とりわけ長期又は濃厚な施術とならないよう努めることとされている。」

適切かつ必要な範囲内で施術をする事が義務づけられているため、良く先生方が言われる「患者さんが来ちゃったから しょうがないじゃん」という理屈は残念ながら正当な理由にはなりません。

「2~3日 様子を見て 痛みがあるようでしたら来て下さい」と指導したが、
患者が「痛みはあまり無いけど不安だから来ちゃった」と毎日来院した場合、
接骨院側は保険者に「そちらの組合の○○さん 通院指導に全然従わないんですが・・・」と本来は連絡しなくてはいけない努力義務があります。
(自費治療であれば勿論 問題ありません)

上記のような理由がある為、保険者から疑義を持たれる前に適切な多日理由を記載するのは今後必要になると考えております。

先生方が言いたい事はなんとなく分かります。
「義務じゃないなら面倒だからやりたくない。」
私も自他共に認める めんどくさがり屋さんなので気持ちは良く分かります。
1人1人のカルテやレセコンの画面 見て 15回以上来てる患者さん探すのは面倒ですよね。

そんなわけで たまには弊社レセコンソフト “メディカルク”の宣伝を少し

(注 VER4.0以降の機能です。)

わずか十数秒で多日施術の患者さんが検索できます。
レセプトに記載する文言ですが、上図にあるような。

「高齢の為、治癒力弱く疼痛が残存する為、通院指導をおこなう。そのため多日の加療となる」
「歩行時痛が著明であり日常生活に支障がある為、通院指導をおこなう。」
「仕事にて患部の安静保持が難しく、可動域制限の改善が緩慢な為、通院指導をおこなう。」

など傷病の経過や患者さんの生活環境に応じて、多日の施術が必要な理由、可能であれば傷病毎に記載していくのが良いかと思います。

接骨師会から言われてるから15回以上来てるレセプトに 文言を入れればいいやという訳ではありません。
何故 わざわざ面倒な事を指導しているのか一度考えてみて下さい。

ご周知のように整骨院の保険請求は 外傷が対象になります。
外傷であれば、経過月数が増す毎に、痛みも減少し通院日数も減るのが本来の流れになると思われます。

部位数が多いのであればそれだけ、痛みも多く通院日数が多いのは至極当然ですが、1部位しかないのに極度の来院頻度が4ヶ月も続いたり、3部位も傷病があるのに1日で治癒になっていたり、一般では考えづらいレセプトが多いような気がします。

勿論 上記のようなケースは当然存在しますが、割合的に多いと疑義を持たざるを得ないでしょう。

本来であれば、この多日理由も ○負傷原因 ○初検時の症状 ○長期理由 ○転帰
とリンクしていないとおかしいわけです。ただ回数が多いから理由を記載すればいい、といった考えでは当然、矛盾点がでてきます。

例)左膝関節捻挫
初検時症状・・・立位から座位動作時の屈曲痛
多日理由・・・・歩行時痛が著明であり日常生活に支障がある為、通院指導をおこなう
長期理由・・・・夜間の疼痛が残存し~

バラバラに考えるとこんな矛盾がでます。
初検症状では屈曲時の動作痛しかないのに、多日の理由は 歩行時痛。
私は柔整師ではないので筋肉のメカニズムは詳しくないですが、歩行動作にさほど膝を屈曲する必要はないんじゃないかなと思います。
長期理由に至っては、1ヶ月~3ヶ月までは存在しなかった 夜間の疼痛が出現してます。

もうこうなると 同じ 左膝関節捻挫でも負傷日が全部、違わないと整合性がありません。

傷病の負傷原因から考えられる初検症状 → 初検症状に整合する多日理由 →
初検症状に整合する長期理由 としっかりと整合性が取れているレセプトかどうか、今後重要な審査基準になると考えます。

私見ですが 来院回数の多い患者さんについては、可能であれば自費治療。又は同意書を貰っての鍼灸・マッサージの保険請求に切り換えていくべきだと思います。
自費請求であれば勿論なんの問題もありませんし、鍼灸・マッサージ保険に関してはそもそも慢性疾患を対象にしている為、柔整に比べれば現状では回数云々を指摘される事は少ないです。

平成14年に 鍼灸保険の月の施術回数制限が撤廃されました。(以前は月15回まで)
絶対ないとは言い切れませんが、同じ療養費のカテゴリの柔整に今後、回数制限がかかる可能性は非常に少ないと思います。

「保険者が厳しくなった」なんて言葉を良く聞きますが、残念ながら保険者は当たり前の審査をしているだけです。辛辣な言葉になりますが、柔整業界の保険請求が当たり前の審査基準に達してないだけです。

今回記載した濃厚施術・多日理由ですが、記載義務ではもちろんありませんが先生方のレセプトを最終的に審査し、支払い決定をするのは、当然、保険者になります。
先生方が接骨師会やレセコン会社に説明するのとは訳が違います。
業界の人間であれば多分こういう事なのかな?と業務知識から推測ができる事もありますが、医科・歯科・科等 多岐にわたって審査している保険者にそのスキルを求めるのは無理な話です。

相互補助の健康保険を使う以上、請求する側にはその施術の必要性 請求根拠を明確かつ明快に説明する義務があると思います。
聞かれたら説明するのではなく、保険者が疑義を持つ前に、この患者さんはこういった理由で施術の必要があり回数が多くなりました。とレセプトに記載して提出すれば保険者側も判断基準の一つになりますし、余計な疑義も減るのではないのでしょうか?

乱筆になりましたが最後までご拝読ありがとうございました。
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